神の手

マラドーナがワールドカップで決めたゴール。
考古学者が遺跡発掘現場で捏造した発見。

どちらも「神の手」と呼ばれている。
「インチキ」という意味で。


一方で池袋大勝軒のマスター。
人は一杯のラーメンを食べるために3時間行列に並んだという。

そして世田谷三宿、シニフィアンシニフィエの志賀シェフ。


どちらも「神の手」と呼ばれている。
「超絶技巧」という意味で。


前々からその評判は聞いていたものの、高級なパンというイメージが先行してなかなか行く気にならなかった。
それが先輩から「あそこのバゲットは美味いよ」と聞いて、とうとう行かざるを得なくなった。
共通認識を持って仕事をすることは大切だと思うから。

件のバゲット。

画像


昼下がりの公園で、天を衝くかの如く屹立したこのバゲットの堂々たる姿を見よ。

クラスト(外皮)の硬さ・厚さ・クラム(内相)の瑞々しさ、もちっとした歯応え。
口いっぱいに広がる香ばしい風味。

これか。
これが先輩をして「何度食っても飽きない」と言わしめたバゲットか。
確かに美味い。


人はいかにして神になるのだろうか。
パンをかじりながらそんなことを考えつつ、夜は更けてゆく。

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