やまびこの是非

まだ教師だった頃の話。
「やまびこ挨拶」について評した文献を授業で取り上げました。

(「やまびこ挨拶」とは、ショッピングセンター、大型古書店等で店員が客の目を見ず、場合によっては客がいない場合でさえもとりあえず大きな声で「いらっしゃいませー」と叫び、それを聞いた別の店員がつられて「いらっしゃいませー」と叫ぶ挨拶の様子を指す。)
もちろん店員の士気を高める、客への礼儀アピール等いくつかの効果が考えられますが、結局筆者はコミュニケーション不全の具体例として「やまびこ挨拶」を引用し、批判したわけです。心がこもっていない挨拶だ、と。

今なぜこの話を思い出したかと言えば、他でもない、自分は件の「大型古書店」の常連だからです。「大型古書店」、まぁブックオフのことです。
確かにやまびこがヒドいです。狭い店内でDUB処理されたかのごとく「いらっしゃいませ」の残響が。
そんなに言わなくちゃいけないもんですかね、あれ。

まぁそれはいいとして、家から自転車圏内にブックオフが5~6件あります。サービスの内容はそれぞれ異なります。セールの内容においては、家から一番近い所にあるブックオフが激アツです。
そこは毎週末になると何かしらのセールを催すわけですが、最近は雑誌半額、DVD20%OFF、CD10%OFF、、、等と手を変え品を変え楽しませてくれました。
しかし、今日行われたセールはかつてない博打というか、ダイナミックというか、ヤケクソ加減がハンパなかったです。

       「本半額。」

どうでしょう、このざっくり感。ちまちまとセールをやるのがめんどくさくなったのでしょうか。血気盛んな若い店員が、サービス精神を出しまくってくれた結果なのでしょうか。
ともあれ、僕にとっては歓迎すべき事です。
昼前に軽い気持ちで行ってみました。
すると店内は異様な雰囲気。書籍コーナーの人口密度がいつもの倍近いです。
特にビジネス書、写真集(アイドル)辺りの棚からにおい立つような熱気を感じます。
自分はたいたい料理本と音楽雑誌のコーナーに直行しますが、人はまばらです。

一回行くと2時間くらいは中にいます。
今日もゆっくり見て回って8冊買いました。

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その中の一冊「おいしいパンの秘密」という本に興味深い話が。

「生鮮食品は対話して買うべき。」

ブロートハイムというパン屋の職人さんの言葉です。
パンが生鮮食品であるという事実に改めて気づかされるとともに、だからこそ食事の合わせ方、楽しみ方をレクチャーしなければならない、という話です。出来合いのものなら買って適当に食べればいい、残ったら冷蔵庫に入れておけばいい、でもパンはそうはいかない。短い旬をどう楽しむか、そこを対話しながら伝えていく。その通りだな、と思いました。

低い単価の商品をどんどん売りさばく(薄利多売)。そして何とか利益を得る。これは大型古書店と町のパン屋に多分共通することです。
しかし対話をしてコミュニケーションをとるのは町のパン屋の仕事です。大型古書店はやまびこで構わないとしても、町のパン屋はお客さんと話して、人間関係を築かなければなりません。カフェであればなおさらです。

きちんとお客さんと対話すること。
心がけていこうと思います。

この記事へのコメント

2012年02月01日 01:31
思い出したのですが、何年も前、梅田の阪急電車の改札口の中で、「いらっしゃいませ!ありがとうございまた!」と、大声で新人の駅員さん達が言わされていました。
私は、その新入社員の責任者みたいなおじさんに、「済みませんけどねえ。あなた達のお仕事は鉄道運輸という人命を預かるお仕事なんだから、安全運転さえ守って頂けたら満足です。こんな挨拶の練習は辞めてほしいです。」といったら、その責任者のおじさんは目を真っ赤にして黙っていました。それから暫くして、JRの信楽鉄道事故や、尼崎の脱線事故が多発しました。
ホントに、阪急の、ノロノロ運転で良かったと思います。
2012年02月01日 22:01
形式にこだわりすぎて中身がなくなるのは本末転倒ですね~。中身の美しさが自然と外に滲み出てくるのが理想です。

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